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ALO Berry(Underscreen)について世界一詳しく解説

更新日:9月24日


 

Underscreenとは?


Underscreen(アンダースクリーン)、またはALO Berryのコーヒーチェリー

2021年にSidamaという地域の中にあるBensa ALO villageで見つかったコーヒー豆です。


最も大きな特徴は名前の通りスクリーンサイズ。


一般的なエチオピア産コーヒー豆のスクリーンサイズ14(5.5mm)を下回っているスクリーンサイズ12(4.5mm)であるにも関わらずエチオピアらしいベリー感を濃縮したようなフレーバーと非常に長い余韻を感じられます。





 

なぜスクリーンサイズが小さい?



スクリーンサイズが小さい豆自体は別に珍しい訳ではありません。

Peaberry(ピーベリー)や欠点豆であるUnripe beans(未成熟豆)がスクリーンサイズの小さいものとして存在します。



・Peaberry説

ピーベリーとAlo Berryの生豆

ALO Berryに含まれるピーベリーは10%以下であることが確認されているので、突然変異でピーベリーのみが採れる訳ではありません。




・Unripe beans説

Immature(未成熟豆)とUnderscreenの生豆

これはフレーバーが良いのであり得ないことはわかっているのですが、Underscreenが発見されたばかりの頃は今のように美味しいことが知られていませんでした。



当時はおそらく「一般的なサイズよりも小さい=未成熟である」と判断されカップオブエクセレンス(COE)への出品を認められませんでした。

(スクリーンサイズが14以上の豆でタミルさんは2021年1st placeを獲得しています)



未成熟な豆が混ざってしまうと渋みや青臭さを出してしまい、コーヒーの味わいを損ねる原因となります。そんな恐れがある豆を提出することはCOEが始まって間もないエチオピアでは受け入れがたかったのかもしれません。



それではUnderscreenはなぜスクリーンサイズが小さいのに美味しいのでしょうか?



 

小さくても美味しい理由



Tamiruさんが運営するMurago villageにある農園と比較してみました。



TamiruさんのMurago villageにある農園


比較ポイントは味わいを大きく決める以下の要素です。



・品種

・栽培方法

・環境



品種

ALOとMuragoで育てられている品種はどちらも74165であるにも関わらず、なぜかALOで育ったコーヒー豆はUnderscreenになり、Muragoで育ったものはスクリーンサイズが14以上だったのです。



これは74165が特別小さい品種でないことを表しています。

(両農園に共通しているhigh floral intensityやlong after tasteは品種由来かもしれません)



Alo BerryとMuragoで収穫されたコーヒー生豆


栽培方法

肥料や剪定によっても果実の大きさは影響を受けます。

しかし、Tamiruさんに確認したところ肥料は使用しておらず、剪定にも差はないそう。



周辺に育つパイナップル、アボカド、バナナなどの農作物もほぼ同じようで、それらがスクリーンサイズに影響を与えた可能性は低いと思われました。



環境

最後に残ったのは育つ環境(標高)です。



高地では気温が低いため果実の成長速度が遅くなり、結果として果実が小さくなることがあります。また標高が高いと昼夜の寒暖差が大きくなり、果実の成長速度が遅くなることで、果実が小さくなることがあるようです。



これは標高2380-2480mに育つALO Berryに当てはまっています。

一方、Muragoを見ると2380-2470mとほぼ同じなのです・・・距離にすると数km程度しか離れていません



AloとMuragoの距離


これをTamiruさんに聞いたところそれぞれが育つ標高を平均するとALO Berryの方がMuragoよりも数十メートル高いことがわかりました。



少し前までは気温が低すぎて(標高が高すぎて)コーヒーが育たなかった両エリアですが、

地球温暖化の影響か育つようになったそうです。






このたった数十メートルの差(Microclimate)がunderscreenを産んだ?



Microclimate(微小気候)はスペシャルティコーヒーを扱う方なら一度は耳にしたことがあるはず。こちらは非常に限られたエリアに特有の大気条件を意味します。



標高が違えば温度(太陽光の当たり方)、湿度(雨の降り方)まで全く同じではないと思われます。例えば日射量が少ない、気温が低いといったサイズが小さくなる要素が重なった結果としてALOに生じた可能性が考えられます。



これらのわずかな気候差が奇跡的にUnderscreenを生み出したのです(かもしれません)。




 

ALO Berryという名前について



ALO COFEE PLC


Underscreenはあくまで豆のサイズを意味するだけです。

SidamaのBensaにあるALOという土地で育ったからこそ、こんなにも素晴らしい風味を持っているとTamiru氏は「ALO Berry」という名前を付けました。




 

タミルさんからのコメント


今回、弊社主催のローストコンペ『AMBESSA JAPAN 2024』開催にあたり

タミルさんからメッセージを頂きました。


皆さん、こんにちは。

エチオピアのアロコーヒーのタミルです。

友人のデイビッド(ダウィット)が主催する、私たちのコーヒーを使った焙煎大会に参加される皆さんにご挨拶を申し上げます。

大会の名前はAMBESSA JAPAN(アンベサ・ジャパン)で、AMBESSAの意味は「ライオン」です。

皆さんの関心とサポートに心から感謝いたします。

皆さんは、小さくて密度の高いコーヒー豆であるALO(アロ)のユニークなコーヒー(ALO Berry)を使って大会に参加します。

焙煎プロファイルは難しいかもしれませんが、創造性を発揮する絶好の機会です。

皆さんの焙煎技術に大きく期待しています。ぜひ頑張ってください!

また、10月のSCAJでお会いできるのを楽しみにしています。

会場でお会いしましょう!皆さんのことが大好きです!


Hello everyone, This is Tamiru from Alo Coffee in Ethiopia. I want to extend my greetings to all participants in the roasting competition featuring our coffee, organized by my friend David (Dawit). The competition is called AMBESSA JAPAN, which means "lion." I truly appreciate your interest and support. You will be competing using our unique coffee variety which is tiny and high-density coffee bean. While you may present a challenge roasting profiles, however a great opportunity for creativity. I have confidence in your skills as roasters. Good luck in the competition! I look forward to seeing you at SCAJ in October. Until then, goodbye! Love you!!

2021年にエチオピアCOE1位を獲得したTamiru Tadesseさん














Tamiru Tadesse(タミル タデッセ)



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